中小企業における健康経営への取り組みは、できるところから第一歩を
先日、健康経営について紹介する記事を公開しました。
今回の記事では、健康経営に取り組む中小企業の事例を、身近なところから紹介していきたいと思います。
健康経営の取り組み事例
先日訪問した、とある企業の取り組みの紹介です。その企業では、建設・運送に関する事業を行っています。
一般的なイメージの通り、従業員の大半が喫煙者で、所内の一角にある喫煙コーナーはいつも大盛況でした。
当時の経営者は喫煙者の多さによる健康への影響を心配していました。また燃えやすいものも事業所内に多くあることから、火の取り扱いとしてもリスクを感じていました。
そこで、電子タバコへの移行を推奨する取り組みを始めました。
※電子タバコの健康への影響は研究段階であり、必ずしも健康に良いと断言できる段階ではありません。
※本事例は電子タバコを推奨する紹介ではなく、健康経営への取り組みプロセスとしての紹介と解釈してください
電子タバコは喫煙者の方であれば分かるかと思いますが、慣れるまでは美味しくなく感じられると言います。そこで経営者は、ルールで電子タバコを推進しても反発を招くと考え、電子タバコ利用者と非喫煙者に補助を出すことを決定しました。
この取り組みには以下のメリットがあると考えられます。
- 「電子タバコにしないと損する」という、人間の本質的な目先の損を嫌う心理を活用している
- 企業としては純粋に出費増しかなく、経営的なメリットは分かりにくいが、そのことが経営者の本気度と従業員の健康への関心を伝える効果がある
さらに、一度電子タバコに切り替えると、紙タバコの煙の臭いが気になる、という方が多いようです。
そのため、「紙タバコ喫煙者が運転する車の臭いが気になる」という声も発生し、金銭的なメリットも後押しして自然に電子タバコへの切り替えが浸透していきました。
この事例から分かること
健康経営への取り組みは、経営者の戦略的な意思と共に小さなことでも第一歩を進めましょう。
その一歩は、まずは社内の規則に手を加えることで、社長の意思を社内に示すことが重要です。
ただし、その際には一方的な押し付けとなってしまうような規則にするのではなく、その取り組みを行うことで従業員にもメリットがあること、自然と取り組みを行うことが誘発されるような仕組みを考えて導入することがポイントです。
この取り組みの進め方の部分では、多数の事例を知っている中小企業診断士の活躍の場も多くあるのではないでしょうか。弊社の代表も中小企業診断士ですし、取引先にも診断士の先生は多く繋がりがありますので、是非ご相談ください(宣伝)