RFP(Request For Proposal:提案依頼書)の作成のポイントを解説!【ホームページの制作】
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ホームページを作成・公開しておくことは、現在のビジネスにおいては必須の要素となっています。銀行に融資を相談する際にホームページの有無を確認されるぐらい、あって当たり前のものとなっています。事業内容や経営の想いをしっかり可視化・伝えることができるホームページは、24時365日稼働し続ける営業マンであり、採用担当者として活躍してくれるでしょう。
しかし、特に中小企業においては世の中のホームページの多くは価値を十分に発揮できていません。その理由の一つに、ホームページの制作を外注する経験そのものが少ないことで、制作会社とやり取りがうまくいかず、期待される成果物ができていない、という問題があります。制作予算も十分に無いため、一度作ってしまうと3年~5年はリニューアルも難しく、価値を生めないホームページを仕方なく使い続ける、といったケースが散見されます。
ホームページの作成を外注する際の成功の鍵は、第一にしっかりとした準備と計画にあります。その中心となるのがRFP(提案依頼書)です。RFPは、単に「作ってほしいホームページの概要」を伝える文書以上のもの。それはビジネス目標を明確にし、制作会社との明確なコミュニケーションを図る基本的なフレームワークです。
この記事では、効果的なRFPの作り方から選定基準、よくある失敗例まで、ホームページ制作のRFPに必要な全てを網羅して紹介します。成功するホームページ作成の第一歩、それがRFPの適切な作成です。是非、この記事を参考にしてください。
ホームページ制作のRFP(提案依頼書)とは?概要を解説
RFPとは、制作会社に対して「どんなホームページを、どんな目的で作りたいのか」を明確に伝えるための依頼文書です。目的・要件・予算・スケジュール・体制などを整理し、複数の制作会社から提案をもらう際の基準となります。
しっかりとしたRFPを作ることで、以下のようなメリットを得られます。
- 制作会社ごとの提案内容を正確に比較できる
- 見積もりが明確になり、追加費用の発生を防げる
- 社内で「何のために作るのか」を共有できる
つまり、RFPは単なる仕様書ではなく、プロジェクトを成功に導く設計図なのです。
RFP(Request For Proposal)とは?
提案依頼書のことであり、この資料は、ホームページ制作プロジェクトの目的、対応範囲、予算、スケジュールなどを具体的に示し、制作会社に配布して提案書を作成してもらうためのベースとなる資料となります。一般的には、ホームページ制作に限らず、外部専門家や専門企業にサービスを依頼する際に用いられます。
なぜRFPが必要?
RFPは、ホームページの制作を発注する側と、受託する制作会社が、明確に前提となる情報や要望の認識を共有し、ゴールに向けて効率的に制作を進めるための最初の情報提供資料となります。
制作会社は、RFPの内容を分析・検討し、企画提案書を作成します。企画提案書においては、具体的な制作の仕方やシステム構成、デザインのラフイメージ、両者の役割分担と責任範囲、サービス品質の担保、WBSなどを記載します。制作会社に対して適切に情報をインプットできなければ、当然、制作後に納品される成果物も期待に届かないものになってしまいます。
RFP・RFI・RFQの違いを整理しよう
RFPとよく似た文書に、RFQ(Request for Quotation, 見積もり依頼)やRFI(Request for Information, 情報提供依頼)があります。これらはすべて似たような目的で用いられますが、それぞれ違いがあります。
| 文書名 | 意味 | 主な目的 |
|---|---|---|
| RFP(Request for Proposal) | 提案依頼書 | 制作会社から企画・提案をもらうための依頼書 |
| RFI(Request for Information) | 情報提供依頼書 | 市場調査・候補企業の情報を集めるため |
| RFQ(Request for Quotation) | 見積依頼書 | 価格・納期などの条件を比較するため |
ホームページ制作では、まずRFIで候補企業を絞り込み、その後RFPで具体的な提案を募る流れが一般的です。
RFPを作成するときの流れとポイント
RFP作成前の準備
成果を生むためのホームページの制作に繋がるRFPを作成するためには、作成前の準備が重要です。まずは、以下のポイントで、ホームページ作成プロジェクトについて検討しましょう。
- ホームページの役割と期待するゴールの明確化
新しいホームページを制作する理由や、改良・リニューアルを考える理由を明確にします。ホームページにどのような役割を期待するか、によって、効果測定のための指標が変わってきます。例えば資料ダウンロードをしてもらうことが目標である、や、会社・サービスのブランディングをすること、など、ホームページの役割によって制作する方針も変わります。 - 制作予算の設定
ホームページの制作を外注委託する際には、大枠の予算感を社内で合意しておきましょう。ホームページ制作費用は、どのようなものを作るか、どのような相手に発注するかによって、その費用は千差万別です。目安となる予算を事前に定めておくことが重要です。 - 制作会社に求める条件を整理
制作会社やフリーランスなどが発注候補となりますが、各事業者それぞれ特徴や強みがあります。どのようなサイトを制作したいか、クオリティやコスト、納期スケジュール等、何を重視するかによって、マッチする制作会社も変わります。制作するサイトに何を期待し、自社の優先順位を明確にしておくことが重要です。
ホームページの制作におけるRFPの基本的な記載項目
ホームページ作成におけるRFPでは、以下のような記載項目(章立て)で作成するといいでしょう。
- 自社(発注側)の概要
- プロジェクトの目的と背景、概要
- 現状分析と課題
- 制作プロジェクトの概要
- 制作物一覧
- 完成・検収要件
- 予算とスケジュール
- 要件について
- 現行サイトのシステム構成
- サイトが持つ機能一覧、新規追加機能一覧
- 期待する表示速度やアクセス数、コンバージョンなど
- 通販機能や予約機能などがある場合はその概要
- 体制と分担
- 提案方法について
- 提案書受領後のスケジュール
- 企画提案会の概要
- 評価基準
- 契約について
よくあるRFPの失敗例と改善ポイント
| 失敗例 | 改善策 |
|---|---|
| 要件が抽象的で伝わらない | ゴール・成果指標を数値で示す(例:CVR3%向上など) |
| 予算を「未定」としている | あらかじめ上限を設定し、提案内容を現実的に絞る |
| 現行サイト情報を共有していない | サイト構成・アクセス状況・CMS仕様を共有する |
まとめ:RFPは「制作前の最重要ステップ」
RFPを丁寧に作成しておくことは、ホームページ制作を成功させる第一歩です。
制作会社との認識のズレを防ぎ、効率的なプロジェクト進行を実現します。
💡 ポイント:
- RFPは「提案をもらうための資料」ではなく「成功するための設計図」
- 書くことで社内の目的も整理できる
- テンプレートを活用すれば初心者でも作成可能
ホームページのRFPにおいては、上記の項目を網羅する内容とするのが推奨されます。発注者に依頼する際は、ぜひ、依頼のための事前情報をしっかり検討して、期待する提案が出てくるように準備をしてくださいね。




