スーツは嗜好品の時代に、AI活用とSEOで商圏を拡大──島根県松江市のオーダースーツ店「from40」のWeb活用
ユニクロやワークマンから作業服風の軽量スーツが販売され、ビジネスウェアのカジュアル化や「ジャケパン」スタイルが急速に浸透する現代。スーツを着る機会そのものが減少し、オーダースーツは今や「特定の人のための嗜好品」へと変化を遂げています。
島根県松江市でオーダースーツ専門店『from40(フロムフォーティー)』を営む和田さんもまた、時代の波の中で「従来の営業スタイルやSNS発信だけでは、売上を維持・拡大していくのが厳しくなってきた」という切実な課題に直面していました。
そんな中、TenCyの高仲との出会いをきっかけに、ホームページを活用したWebマーケティングの刷新に着手。さらにAIツールを相棒として使いこなしながら、自社サイトに数十本ものブログコンテンツを投稿する怒濤の試行錯誤が始まりました。
結果として、「松江 オーダースーツ」での検索上位表示はもちろんのこと、島根県西部(200km圏外)や隣県の鳥取県、さらには東京での出張採寸イベントに至るまで、地方のスーツ専門店が広域・首都圏からお客様を引き寄せる劇的な変化が生まれています。
本記事では、from40のAI時代のWebマーケティングの取り組みに加えてデジタル時代だからこそ求められる人間同士の関係性の価値についてお伺いしました。
- CMSWordPress
- 対応範囲Webサイト運用保守
- 主な業務サーバー切替、WordPress / テーマ / プラグイン更新、バックアップ管理、SEOアドバイス
- 成果自律的な運用が可能となるような体制
目次
- ビジネスウェアのカジュアル化と「嗜好品としてのフォーマル」への特化
- 価格競争を完全に捨て去り、「本物のフォーマル」を求める層へターゲットを絞る
- TenCyに保守運用サポートを依頼して──「昭和の人間」が求める対面コミュニケーションと信頼感
- 生成AI×自社メディア発信の泥臭い試行錯誤
- 「AIで仕事が変わった」知人の発言と、ChatGPT・Claudeの活用
- 松江での検索1位の効果と、商圏外からの来客
- 首都圏・東京への進出と今後の展望
- 「お金はあるが時間がなく、急ぎで最高峰を求める開業医」という理想のペルソナ
- Web広告の試行錯誤と、AI時代における人間の伴走者への期待
- 店舗事業のWeb集客・SEO対策にお悩みなら、TenCy株式会社にご相談ください
POINT
カジュアル化に対抗する「フォーマル特化」の差別化戦略:ユニクロやワークマン等の作業服風スーツ台頭に対し、価格競争を排して「嗜好品としての本物のフォーマル」を求める顧客へ狙いを限定。
AI(ChatGPT/Claude)×自社メディア発信の怒濤の試行錯誤:AIを活用し、外部ブログではなく自社サイトで独力で記事を開始。コンテンツにはオリジナリティを追求。
顔が見える1on1伴走サポート:一方的なテキストでのやり取りから生じる圧迫感を無くし、Zoomやリアルでの対面対話で人間の言葉による安心感と価値を提供。
ビジネスウェアのカジュアル化と「嗜好品としてのフォーマル」への特化

価格競争を完全に捨て去り、「本物のフォーマル」を求める層へターゲットを絞る
──まずは、オーダースーツ業界についての現状と、ホームページの施策に本格的に取り組もうと考えられた背景からお聞かせいただけますか?
和田さん:
一番大きな理由は、やっぱり僕たちが扱っている「オーダースーツ」という商品の立ち位置が、ここ数年で根本からガラリと変わってしまったことです。
今って、ユニクロさんとかワークマンさんに行けば、すごく安くてストレッチが効いていて、自宅の洗濯機で丸洗いできるスーツ風の上下セットがいくらでも買えるじゃないですか。ビジネスの現場でも「ジャケットとパンツ(ジャケパン)で十分」「ネクタイなんて誰も締めていない」というカジュアル化が定着していて、極端な話、ただ仕事をするためだけに服を着るなら、誰も高いお金を出してオーダースーツを買う必要がなくなっているんです。
だからこそ、今の時代においてオーダースーツは嗜好品なんですよね。それこそ、シンプルなスーツは量販店で変えるから、うちみたいな個人のお店は年々厳しくなっていっている実感がありました。でも、僕は価格では勝てないし、ターゲットをちゃんと絞っていかないといけないと感じていました。僕が本当に提供したいのは、生地選びから仕立て、mm単位の採寸に徹底的にこだわってその人に合うスーツだからです。そう考えたときに、やっぱりホームページを充実させて、情報を発信していかないといけない、と感じたんです。
──ご相談いただいた段階で、現状のホームページに近いサイトとして出来上がっていた状態ではありました
和田さん:
そうなんですよ。ただ、当時の僕はホームページなんて一度作ってしまえば終わりと思っていて、検索エンジンに引っかけるためのSEO対策なんて何一つしていませんでした。むしろ、当時はこれからはホームページよりもSNSだ!という感じで、僕もSNSを一生懸命更新して、そこからホームページを見てもらえれば十分だろう、くらいで。でも、実際にはSNSだけではダメだとなったんです。
ずっと通っている地元の床屋さんで雑談していた時、そのお店は個人店なんですけど、「最近どうですか?」って話になって。彼が「もうホームページからの新規客がすごくて、常に予約でいっぱいなんだよ」って言うんですよ。個人店だからお客様の数にも限界があって、「これ以上新規のお客さんが来ても断るしかないから、もう新しく来なくてもいいくらいなんだ」って言うぐらいだったんです。
それを聞いた時に、ホームページってやっぱり大事なんだな、と。話を詳しく聞くと、ちゃんとSEOの対策をしている、ということだったんです。僕は、そういうSEO対策とか当時は一切していなかったんです。ChatGPTに聞いてもホームページをしっかり運用すべきと言われて。なので、やっぱりSEO対策なんだな、ちょっと変えていかなくちゃいけないな、と思ったんです。
TenCyに保守運用サポートを依頼して──「昭和の人間」が求める対面コミュニケーションと信頼感
──そこから、弊社の高仲にご相談いただくことになった経緯をお聞かせください。
和田さん:
一番の決め手は、人柄と話しやすさです。経営者交流会の仲間として出会ったのがきっかけなんですけど、とにかく、頼みやすい、話しやすい、何でも相談しやすい、と思ってます。Webの人って、僕たちからすると専門用語を並べ立てられて難しそうに感じてしまうことが多いじゃないですか。でも高仲さんは僕たちの目線に降りてきて話をしてくれるので、「この人なら自分の恥ずかしい初歩的な質問でも気軽に聞けるな」と直感してお願いしました。
僕は自他ともに認める生粋の「昭和の人間」なんですよ(笑)。今のIT会社さんって、連絡のやり取りが全部LINEやチャットツール、メールだけで完結しようとすることが多いじゃないですか。「修正しておいたので、このURLのページを見て確認しておいてください」みたいに、無機質なテキストとリンクだけがポーンと送られてくる。
あれ、受け取る側の人間からすると、なんだか早く確認しろって攻められているような圧を感じちゃうんですよね。分からないことがあってもテキストだと聞きづらいし、自分で調べようとしてもものすごく時間がかかって、途中で嫌になって諦めてしまうんです。
でも、高仲さんはZoomを使って画面越しに顔を合わせながら対話をしてくれる。画面越しでもお互いに顔を見て声を聞きながら相談できるのが安心です。「いよいよ自分では意味が分からなくなってきた!」という壁にぶつかった時に、「高仲さん、ちょっと話していいですか?」ってすぐに言える。この距離感と安心感は、とてもありがたい支えになっています。
生成AI×自社メディア発信の泥臭い試行錯誤

「AIで仕事が変わった」知人の発言と、ChatGPT・Claudeの活用
──そして、自身で生成AIを活用して、ホームページの更新に着手したということですね。この画期的な取り組みはどのようにして始まったのですか?
和田さん:
これもきっかけがありまして、隣の市で会社を経営している昔からの友人と、久々に飲みに行ったんですよ
彼とは経営の勉強会で一緒で、当時は「社員の満足度を高めて、みんなで働きやすい環境を作って幸せになろう」という組織作りの勉強を真面目にやっていた仲間だったんです。でも久々に酒を酌み交わしたら、彼が「和田さん最近うちね、もうずっとAIだよ。なんならうちも社員いらないから」とか言い出して(笑)。そのAIの活用ぶりに「すげえな!」と。当時の勉強会と180度考え方変わったねって。
それで僕もと思って、ChatGPTに集客について聞いてみたら、結局ホームページだってなったんです。じゃあどうしたらいいの?って聞いたら、「アメブロじゃダメだ。自分のホームページの中に来ないとダメだ。ブログをとにかく50個以上出せ」って具体的な指示が出てきて。
──サイトを見に行くたびに更新されていて、私も「あれ、いつの間にこんな変わってる!?」って驚きましたね(笑)
和田さん:
ClaudeとChatGPTと連携させて「よし、どんどん作れ!」って。でも、スムーズに行ったわけじゃなくて、AIとは喧嘩しながらやりましたよ(笑)。やっぱりAIが書いてくれた文章をそのまま出すと、僕そんなこと言わないしっていうのを出してくる。最終的には自分の言葉で書かなくちゃダメだなとなりました。
松江での検索1位の効果と、商圏外からの来客
──現在「松江 オーダースーツ」というキーワードにおいて、検索結果・Googleマップ(MEO)ともに1位や最上位クラスに表示されていますが、AIを相棒にした自社発信とSEO対策を進めた結果、実際の集客や検索順位にはどのような変化がありましたか?
和田さん:
松江はライバルが少ないっていうラッキーな面もあるんですけどね。ただ、実際にWebでの発信を強化してから、僕たちが全く想定していなかったお客様が遠方から来てくださるようになったんです。
島根県って横にすごく長くて、一番西の端(益田・津和野方面)までここ(松江)から200kmくらいあるんですよ。車で移動してもかなりの時間がかかるんですけど、その200km離れた島根県西部からわざわざうちを検索して来店してくださるお客様が出てきたんです。
さらに、隣の鳥取県からのお客様や、これまでうちがあまりターゲットにしていなかった「成人式用のスーツを作りたい」という若いお客様、あとは広島県や岡山県との県境エリアのお客様まで、Web検索を通じて来店してくれるようになりました。
首都圏・東京への進出と今後の展望
「お金はあるが時間がなく、急ぎで最高峰を求める開業医」という理想のペルソナ
──現在、次なるステップ・今後の展望として、首都圏への進出に取り組まれていますね。
和田さん:
はい。今後、地方ではもっともっとスーツが必要なくなってくる時代になります。そうは言っても「自分はやっぱりスーツじゃないとダメだ、ネクタイしたい」という人はいるので、そういったお客さんにもっと利用いただくには、やっぱり人口の多い東京・首都圏に出ていかなくちゃいけないなって感じています。
ただ、初期投資をして東京に店舗を構えたり、法人を立てたりするのは現実的ではないので、これまで通り取引先企業の事務所スペースを借りて、定期的に「出張採寸会・即売展示会」を開催するスタイルでやっています。隠れ家的に少しずつファンを増やしていければと思って。
──東京ではどういったお客様層をターゲットとしてイメージされていますか?
和田さん:
僕が一番こういうお客さんが来てくれたらいいなと思う理想のお客様がいるんですよ。その人は、「お金はあるけれどこだわりは余りなくて、多忙で時間がなく、でもちゃんとしたフォーマルスーツが必要な開業医の先生」なんです。常連のお客様で、 ある日店に飛び込んできて、「和田さん!〇月○日に◯◯先生のパーティーがあるから、スーツ一式頼む!今5分しか時間ないからよろしく!」って(笑)。
僕も慣れているので、5分でパパッと好みを聞いて採寸して受けるんです。で、「できました」って連絡したら、「いくら?20何万?今から行っていい?」って来店してすぐ支払って帰られる、みたいな。本当に助かるって感謝してくださって。多忙な方にとって、「迷わず短時間で完璧なフォーマルを用意してくれる存在」って、すごく。
東京には、そういう「どこで買えばいいか分からない忙しいけどオーダースーツを必要とする層」がたくさんいらっしゃるはずです。そういうお客様を東京で掴んでいけたらいいなと思っています。
Web広告の試行錯誤と、AI時代における人間の伴走者への期待
──東京での集客に向けて、具体的にWebを活用した新しい取り組みも試されているのでしょうか?
和田さん:
実は、この間の商談会をした時にも、ChatGPTに聞きながら自分でGoogle広告を出してみたんですよ。「あ、こんな細かくターゲット設定するんだ!」って全然分からんと思いつつ(笑)。その時はすぐにお客さんが来なかったんですけど、東京に関してはGoogle広告やWebマーケティングを使って集客していきたいと感じました。
今後は、数カ月に1回ペースで東京での出張採寸・商談会を継続していく予定です。
でも、広告の設定やターゲット設定も、僕はAIに頼り切るんじゃなくて、高仲さんとこうやって打ち合わせしながら「こういう風にターゲット絞りましょう」「じゃあこれ試してみましょう」ってアドバイスをもらえるのが一番だと思っているんですよね。
今回、AIを使ってホームページを変えてみて感じたのは、最後に必要なのは人間の信頼関係だということです。AIを使えば、ブログも広告の設定もある程度できます。でも、こうやって打ち合わせしながら、じゃあここはこうしていこう、というようなアドバイスを頂きたい。そんなときは、やっぱり高仲さんのような顔が見えて直接話せるプロなんですよね。こういう関係があったからこそ、新しい挑戦を続けられています。
店舗事業のWeb集客・SEO対策にお悩みなら、TenCy株式会社にご相談ください
TenCy株式会社は、単なるWebサイトの制作・デザインにとどまらず、お客様のビジネスモデルや業界構造に深く寄り添い、効果的なWeb集客・ローカルSEO対策・最新のAI活用までをトータルで伴走サポートするWeb制作・コンサルティング企業です。
「AIを活用して情報発信をしたいが使い方が分からない」「Web業者と顔を合わせて親身に相談に乗ってほしい」「地方の拠点から広域や都市部へ集客を広げたい」といったお悩みをお持ちの経営者様は、ぜひお気軽にお問い合わせください。



