起業における合同会社の選択肢

目次
会社といえばほとんどの方が「株式会社」を連想されるかと思いますが、近年「合同会社」という法人格の登記が増えています。
実際に起業する場合に、「合同会社」と迷ったという方もいるかと思いますので、特徴について少し触れたいと思います。
設立においての合同会社のメリット
起業時に合同会社を設立する主なメリットは2点あります。
・設立の費用が安い
・役員の任期がないため、役員の重任登記が不要
株式会社を設立する場合、公証役場にて定款(会社のルールブックのようなもの)の認証を行わなければならず、その費用が5万円程度かかっていました。
一方、合同会社は公証役場での定款認証が不要であり、創業のコストを下げられるため選択されていましたが、令和4年1月1日より公証役場での認証費用が変更されます。
資本金の額が100万円未満 | 3万円 |
100万円以上300万円未満 | 4万円 |
300万円以上 | 5万円 |
このため、改めてどちらを設立するか、検討される方もいるかと思いますので、改めて合同会社について解説します。
合同会社とは?
会社設立の場合、ほとんどは株式会社を設立される方が多いのですが、最近では会社の目的に応じては合同会社を設立する方も少なくありません。
合同会社の中でもご相談が多いのは、主に設立と持分譲渡です。
どのように出資して会社を運営しているかについて解説します。
合同会社は株式会社と違って、出資者=社員となります(登記簿にも記録されます)。
この社員ですが、一般的な従業員とは考え方が異なります。
また、この社員にも複数の種類があります。
代表社員
会社の代表権を有する社員です。契約締結など、通常の株式会社の代表取締役と同じような権限を持ちます。
複数名を代表社員にすることも可能です。
業務執行社員
経営に関与する社員のことを指します。
定款で代表社員を定めていない場合は、業務執行社員全員が会社経営を担うことになります。
原則、会社の意思決定をする上で、業務執行社員の過半数の同意が必要となります。
社員
出資はするものの、経営には関与しないものを指します。メリットとしては、会社の配当金は受け取れることです。
また、業務執行はしないものの、お金や資産等の監査や調査はできます。
株式会社と異なる点として、法人でも、業務執行社員や代表社員になることが可能です。
※株式会社では、取締役や代表取締役に法人はなれません。

設立においての合同会社のメリット
起業時に合同会社を設立するメリットは2点あります。
・設立の費用が安い
・役員の任期がないため、役員の重任登記が不要
合同会社の持分譲渡について
合同会社を株式会社の子会社として作り、その会社自体を売買するケースも少なくありません。
その際には、持分譲渡をすることとなります。
持分全部譲渡による退社及び入社
合同会社の社員は、その持分の全部を譲渡したときは退社し、既存の社員以外の人がその持分の全部を譲受したときは社員として加入することになります。
合同会社の業務執行社員及び代表社員は登記されるため、退社した社員が業務執行社員や代表社員であったときはその退社の登記を申請する必要があります。
新たに加入した社員が業務執行社員や代表社員となったときは、その加入の登記申請を、入退社をした日から2週間以内にしなくてはなりません。
このように持分譲渡を行うと、ハコ(会社)はそのままで、経営権を譲渡することができます。
もちろん、会社を買収する上で、財務状況や契約関係は引き継ぐことになるので、各専門家による精査をしておくことになります。(デューデリジェンスと言います。)
法人設立には、それぞれのメリットをきちんと検討する
単純に「設立費用が安い」という理由で選ばず、会社の目的に合わせた法人格を選ぶことを大切です。
手続きが難しいと感じた方は専門家に相談することをお勧めします。