【2023年度】事業再構築補助金10次の公募要領が公開されました!

目次
事業再構築補助金の2023年度版の公募要領が公開されました!
中小企業等の事業再構築を支援する、「事業再構築補助金」は、現在第10回の公募が行われることが確定しています(令和5年6月30日 申請締切り)。2023年度の初の公募となる第10次では、公募要領に大幅な改正が入りました。変更点について取り上げていきたいと思います。
公募要領はこちら(PDF)からご確認ください。
事業再構築補助金の2023年度版の公募要領 変更点を紹介します!
第10次公募以降、大幅な変更が入ることが、事前情報からも予測できていました。ミラサポplusに掲載されている記事などからも、中小企業庁や経済産業省がこの補助制度をどのように考えているか、をうかがい知ることができます。
中小企業庁「ミラサポplus」:中小企業庁担当者に聞く「令和4年度第2次補正予算 事業再構築補助金」
これを踏まえて、どのような変更が入ることになったのかチェックしてみましょう。
事業再構築補助金に申請する「事業計画」の作成代行はNGと明記されました
補助制度の仕組みが変わったわけではありませんが、最も重要なポイントであると考えていますので、最初に紹介したいと思います。以下は、公募要領(p.4)の引用です。
本事業は、中小企業等の事業再構築への挑戦を後押しし、新たに取り組む事業の付加価値額を高めることを支援するものであり、申請者は事業計画の作成(検討やブラッシュアップのために認定経営革新等支援機関を含む外部機関の助言を受けることは差し支えございませんが、必ず申請者自身で作成してください。作成自体を外部機関が行うことは認められません。)、実行及び成果目標の達成に責任を持って取り組んでいただく必要があります。
事業再構築補助金 公募要領(p.4)注意事項
太字にしてある部分がポイントとなります。事業計画はあくまで申請者自身で作成する必要があります。事業の再構築のため、新たに取り組む事業は計画を事業者及び担当者が主体的に考え、中小企業診断士や認定支援機関はあくまでその補助者であること、この関係が大事です。
では、一方で「事業計画書」の作成を代行するというポイントについては判断が分かれるところです。計画書の書面に事業計画の内容を落とし込むこと。この部分も事業者自身でやる、となると、小規模事業者持続化補助金ならともかく再構築補助金では中々採択されるレベルまで高めるのは難しい印象です。
計画はあくまで事業者が作成し、その内容を書面化する部分は認定支援機関等の補助者が行うこともできる、というような解釈が現実的には合っているのかな?と思います。
※本内容はあくまで現場の感覚に基づく私見であって、法的な確認等はしていません
事前着手申請ができる申請類型が「最低賃金枠、物価高騰対策・回復再生応援枠」に限られた
この変更は想定外です。事前着手申請ができるかできないか、で、実運用として事業転換・再構築が実現できるかできないか、が大きな差となってしまうケースが多くあるでしょう。
事業に着手できるまで、申請作業開始~採択発表までの半年間動けない、というのはとても厄介ですね。新規契約物件の工事費用を計上しようとすると、契約して抑えても半年間待たざるを得ず、挙句不採択となって家賃だけ無駄、というオチが発生しかねないです。
そのため、極力事前着手申請が可能な類型で申請したい、というのが、支援者的立場からの見解です。
その他、各類型について確認してみましょう。
申請類型 | 補助上限額(※) | 補助率 |
---|---|---|
物価高騰対策・回復再生応援枠 (業況が厳しい事業者や事業再生に取り組む事業者向け) | 1,000万円 1,500万円 2,000万円 3,000万円 | 中小2/3(一部3/4) 中堅1/2(一部2/3) |
成長枠 (成長分野への大胆な事業再構築に取り組む事業者向け) | 2,000万円 4,000万円 5,000万円 7,000万円 | 中小1/2 中堅1/3 |
グリーン成長枠 (研究開発・技術開発又は人材育成を行いながら、グリーン成長戦略「実行計画」14分野の課題の解決に資する取組を行う事業者向け) | <エントリー> 中小:4,000万円 6,000万円 8,000万円 中堅1億円 <スタンダード> 中小:1億円 中堅:1.5億円 | 中小1/2 中堅1/3 |
産業構造転換枠 (国内市場縮小等の構造的な課題に直面している業種・業態の事業者向け) | 2,000万円 4,000万円 5,000万円 7,000万円 廃業を伴う場合2,000万円上乗せ | 中小2/3 中堅1/2 |
サプライチェーン強靱化枠 (海外で製造する部品等の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化及び地域産業の活性化に資する取組を行う事業者向け) | 最大5億円 | 中小1/2 中堅1/3 |
最低賃金枠 (最低賃金引上げの影響を受け、その原資の確保が困難な特に業況の厳しい事業者向け) | 500万円 1,000万円 1,500万円 | 中小3/4 中堅2/3 |
- 「回復・再生応援枠」、「緊急対策枠」を再編し、事業再生に取り組む事業者や物価高騰等により業況が厳しい事業者等を支援する「物価高騰対策・回復再生応援枠」を創設
- いままでの「通常枠」を再編し、売上高減少要件を撤廃。市場規模が拡大する業種・業態への転換を支援する「成長枠」を創設
- 「グリーン成長枠」に、要件を緩やかにした「エントリー」類型を創設
- 市場規模が縮小する業種・業態からの転換を支援する「産業構造転換枠」を創設
- 製造拠点の国内回帰を進め、国内サプライチェーンの強靱化・地域産業の活性化に貢献する「サプライチェーン強靱化枠」を創設
※最低賃金引上げの影響を大きく受ける事業者の事業再構築を支援する「最低賃金枠」は継続
2023年度の事業再構築補助金の申請類型(枠)について
(※)補助下限額は100万円となり、上限は従業員数によってそれぞれ定められます
- 「成長枠」と「グリーン成長枠」については、大胆な賃上げや中小企業等からの卒業に取り組む場合、さらなる支援措置(補助率・補助上限の引き上げ)があります
- 「成長枠」の要件である「市場規模が10%以上拡大する業種・業態」については、公募開始時に事務局サイトで公表する予定です。また、指定された業種・業態以外であっても、応募時に要件を満たす業種・業態である旨データを提出し、認められた場合には、対象と成り得ます
- 「産業構造転換枠」の要件である「市場規模が10%以上減少する業種・業態」についても、公募開始時に事務局サイトで公表する予定です。また、コロナ後~今後の10年間で市場規模が10%以上縮小することについて、応募時に客観的な統計等で示していただき、事務局の審査で認められた場合にも対象となります
成長枠(旧通常枠)の変更点について
成長枠(旧通常枠)では、2023年に一部の上限が下げられ、補助率も下がるなどの変更がありました。大規模な賃上げを行わない場合は補助率1/2(中堅企業は1/3)となるなど、若干使いにくくなった印象です。
<補助率引上げを受ける場合の追加要件>【補助率引上要件】
① 補助事業期間内に給与支給総額を年平均 6%以上増加させること
② 補助事業期間内に事業場内最低賃金を年額 45 円以上の水準で引上げること
一方で、売上高の減少要件は無くなったことで、どの企業でも申請できる可能性が生じました。コロナ禍も3年前ですものね。その中で起業し、成長を目指す企業なども使えることになるので、チャンスは拡がったといえます。
第10回公募以降の事業再構築補助金では、それぞれの枠の対象となる事業者が明確になり、事業の目的にあわせた支援が受けられるようになりました。一方で、枠によって申請要件・補助上限額等が大きく異なってきます。詳細は、公募開始時に事務局サイトで公募要領等をご確認ください。
事業再構築補助金の申請は中小企業診断士に相談がおすすめ
計画書の作成においては、手前味噌ではありますが中小企業診断士に相談することがおすすめです。その他士業や民間コンサルタントでも対応している方はいますが、制度をより詳しく理解し、また中小企業の現状を最も理解している可能性が高いのが中小企業診断士です。身近な診断士に相談してみましょう。
弊社TenCy株式会社においても、システム開発・制作とセットで事業再構築補助金の申請をサポートしています。新規事業を立ち上げたい方、コロナ禍において業態転換を検討したい方は、ぜひご相談ください。
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