小規模事業者持続化補助金 第20回の変更点|第19回との違いを解説 | 東京都の墨田区にあるホームページ制作・Web制作・イラスト・デザイン制作会社 TenCy株式会社
2026.8.21 2026.10.13

小規模事業者持続化補助金 第20回の変更点|第19回との違いを解説

小規模事業者の販路開拓や生産性向上を支援する「小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>」第20回公募について、2026年11月5日から申請受付が開始されます。

申請締切は2026年12月15日(火)17時です。今回の第20回公募では、第19回から制度内容が複数変更されています。特に、

  • ウェブサイト関連費・広報費の上限
  • Web広告・SNS広告の経費区分
  • 相見積が必要となる金額
  • 賃金引上げ特例
  • 事業計画の審査基準
  • 過去採択者の再申請

など、申請内容に直接影響する変更が行われています。本記事では、第19回と第20回の公募要領を比較し、主な変更点を整理します。

小規模事業者持続化補助金 第20回の主な変更点

第19回と第20回の主な違いは以下のとおりです。

項目第19回第20回
ウェブサイト関連費補助金交付申請額の1/4、最大50万円上限30万円(税込)
広報費個別の上限記載なし上限30万円(税込)、広報費のみの申請不可
Web広告・SNS広告ウェブサイト関連費広報費へ変更
相見積が必要な発注額1件100万円(税込)超1件50万円(税込)超
賃金引上げ特例事業場内最低賃金+50円以上1人あたり給与支給総額+3.0%以上
賃金引上げ加点事業場内最低賃金+30円以上1人あたり給与支給総額+2.0%以上
成果目標販路開拓効果等を審査売上高・売上総利益の増加をより明確に評価
再申請一定期間経過+効果報告提出第20回採択者は効果報告提出後さらに1年経過が必要
加点項目―健康経営優良法人加点などを追加

第20回ではウェブサイト関連費の上限が30万円に変更

Webサイト制作を検討している事業者にとって、特に重要なのが「ウェブサイト関連費」の変更です。

第19回は補助金交付申請額の1/4・最大50万円

第19回では、ウェブサイト関連費について、「補助金交付申請額の1/4、最大50万円」という上限が設定されていました。そのため、通常枠で補助金申請額が50万円の場合、ウェブサイト関連費として計上できる補助金額は最大12.5万円でした。

第20回は一律30万円が上限

第20回では、「ウェブサイト関連費の補助金交付申請額は30万円(税込)まで」に変更されています。

この変更は、必ずしも一律に減額されたという意味ではありません。

通常枠で補助金申請額が50万円の場合、第19回では最大12.5万円だったところ、第20回では最大30万円までウェブサイト関連費へ配分できるため、通常枠ではホームページ制作に活用しやすくなった側面もあります。

一方、特例を利用して補助額を大きくする場合には、第19回の最大50万円から30万円へ上限が下がることになります。

Web広告・SNS広告は「広報費」へ変更

第20回では、Web広告に関する経費区分も変更されています。

第19回のWeb広告

第19回では、

  • インターネット広告
  • バナー広告
  • SNS広告
  • インターネットでのプレスリリース配信

などは「ウェブサイト関連費」として扱われていました。

第20回では広報費として申請

第20回では、これらが「広報費」の対象として整理されています。

具体的には、

  • インターネット広告
  • バナー広告
  • SNS広告
  • SNS運用代行
  • インターネットでのプレスリリース
  • 電子パンフレット

などが広報費として扱われます。一方、自社ホームページやECサイトに掲載する写真・動画の制作などは、引き続きウェブサイト関連費となります。

ホームページ制作とWeb広告を別枠で計画

第20回では、

ホームページ制作 → ウェブサイト関連費
Google広告・SNS広告等 → 広報費

という形で分けて申請することになります。

それぞれ補助金交付申請額30万円が上限となるため、ホームページ制作とWeb広告を組み合わせた販路開拓では、経費区分を意識した計画づくりが重要です。

第20回では広報費も上限30万円に

第20回では、広報費についても、「補助金交付申請額30万円(税込)まで」という上限が設定されました。

また、広報費だけで申請することはできず、他の対象経費と組み合わせる必要があります。たとえば、

  • チラシ制作
  • カタログ制作
  • 看板制作
  • Web広告
  • SNS広告
  • プレスリリース配信

などの広報費だけで申請することはできません。第19回にはなかった明確な制限のため、広告・販促を中心に補助金を利用したい事業者は注意が必要です。

相見積が必要になる金額が100万円超から50万円超へ

設備購入や外注等を予定している事業者は、見積取得のルールにも注意が必要です。

第19回は100万円超

第19回では、1件あたり100万円(税込)超の購入・委託等について、2者以上からの相見積が必要でした。

第20回は50万円超

第20回では、この基準が、「発注総額50万円(税込)超」へ引き下げられています。

これまでより小規模な発注でも相見積が必要になるため、設備投資やWeb制作、システム開発などで50万円を超える発注を予定している場合は、早めに複数業者から見積を取得しておくことが重要です。

第20回では賃金引上げ特例が大きく変更

賃金引上げ特例の考え方も大きく変わりました。

第19回は最低賃金+50円

第19回では、補助事業終了時点の事業場内最低賃金を、申請時より50円以上引き上げることが要件でした。

第20回は1人あたり給与支給総額+3%

第20回では最低時給ではなく、「従業員1人あたり給与支給総額」を基準とする方式へ変更されています。

補助事業実施期限日を終点とする連続12か月と、その前年同月までの12か月を比較し、「従業員1人あたり給与支給総額を3.0%以上増加」させることが必要です。給与支給総額には、給料・賃金・残業代・賞与等が含まれます。

従来の最低賃金ベースから、会社全体の給与水準を見る制度へ変更された点は大きな違いです。

賃金引上げ加点も給与支給総額+2%へ

採択審査における賃金引上げ加点についても変更されています。

第20回では、「従業員1人あたり給与支給総額を年平均2.0%以上増加」させる計画を策定する事業者が加点対象となります。賃金引上げ特例は3.0%以上、賃金引上げ加点は2.0%以上となるため、混同しないよう注意が必要です。

小規模事業者持続化補助金 第20回では成果目標をより重視

今回の公募で申請書作成上、特に重要なのが「売上高・売上総利益」に関する考え方です。第20回では、補助対象事業について、「事業効果等の報告時に、売上高・売上総利益が補助事業終了時より増加することが見込める事業」であることが明確に示されています。

第20回では定量的な事業計画が重要

申請時には、

  • 市場規模
  • 顧客ニーズ
  • 営業方針
  • 新規顧客の獲得見込み
  • 新規取引の見込み
  • 客単価
  • 売上高
  • 売上総利益

などについて、可能な限り客観的なデータを使いながら成果目標を設定することが重要になります。

「ホームページを作る」だけでは弱い

たとえば、ホームページをリニューアルするという計画だけではなく、

  • どの顧客層を獲得するのか
  • どの商品・サービスへの問い合わせを増やすのか
  • 月何件の問い合わせを獲得するのか
  • 何件の商談・受注につなげるのか
  • その結果、売上・売上総利益をいくら増やすのか

まで計画に落とし込むことが重要です。第20回では、単なる設備投資や広告施策ではなく、その投資によってどの程度事業成果が出るのかがこれまで以上に問われる内容になっています。

第20回採択者は将来の再申請にも新たな制限

過去に持続化補助金を利用した事業者の再申請ルールにも変更があります。第20回で採択され、補助事業を実施した事業者が将来再申請する場合には、

  1. 補助事業終了後1年間が経過
  2. 事業効果等状況報告書を提出
  3. その提出完了後、さらに1年間が経過

していることが必要となります。そのため、今後は持続化補助金を短い間隔で繰り返し利用することが難しくなります。

第20回を利用する場合は、「今回は何に補助金を使うべきか」をこれまで以上に慎重に検討する必要があります。

第20回では健康経営優良法人加点なども追加

第20回では、採択審査における加点項目も見直されています。

健康経営優良法人加点

重点政策加点として「健康経営優良法人加点」が追加されています。健康経営優良法人の認定を受けている事業者が対象です。

一般事業主行動計画策定加点

政策加点として、「一般事業主行動計画策定加点」も設けられています。一定の事業者が、女性活躍推進法または次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定・公表している場合に対象となります。

申請予定の企業は、自社が利用できる加点項目についても事前に確認しておくことをおすすめします。

小規模事業者持続化補助金 第20回の申請スケジュール

第20回の主なスケジュールは以下のとおりです。

  • 公募要領公開:2026年5月27日
  • 申請受付開始:2026年11月5日
  • 事業支援計画書(様式4)発行受付締切:2026年12月4日
  • 申請受付締切:2026年12月15日 17時
  • 採択発表:2027年3月頃予定
  • 補助事業実施期限:2028年3月31日
  • 実績報告書提出期限:2028年4月10日

特に注意したいのが、事業支援計画書(様式4)の発行受付締切です。補助金の申請締切は12月15日ですが、商工会・商工会議所への様式4の発行依頼は12月4日までとなります。

申請締切直前から準備を始めても間に合わないため、早めの準備が必要です。

第20回は「経費を使う計画」から「利益を増やす計画」へ

第20回公募では、単にホームページや設備、広告などへ投資するだけではなく、その投資によってどのように販路を開拓し、売上高・売上総利益を増加させるのかという事業計画がこれまで以上に重要になります。特にWeb施策では、

  • ホームページ制作
  • ECサイト構築
  • LP制作
  • Web広告
  • SNS広告
  • 写真・動画制作

などについて、経費区分や上限額が変更されています。ホームページ制作とWeb広告を組み合わせる場合は、ウェブサイト関連費30万円、広報費30万円という第20回のルールを踏まえながら、売上につながる施策として事業計画を設計することがポイントです。

当社では、小規模事業者持続化補助金を活用したホームページ制作やWeb広告、販路開拓施策についてもご相談いただけます。

第20回への申請を検討している事業者は、申請書の作成だけでなく、補助対象経費やWeb施策の組み立てから早めに検討することをおすすめします。

公式情報

小規模事業者持続化補助金<一般型・通常枠>公式サイト
https://r6.jizokukahojokin.info/

第19回公募要領
https://r6.jizokukahojokin.info/doc/r6_koubover6_ip19.pdf

第20回公募要領
https://r6.jizokukahojokin.info/doc/r6_koubover8_ip20.pdf

この記事を書いた人

高仲 秀寿

高仲 秀寿

TenCy株式会社 代表取締役/中小企業診断士

TenCy株式会社代表取締役。中小企業診断士として、中小企業の経営・事業課題に向き合いながら、Web制作・Webマーケティング・DX・生成AI活用など、デジタル領域を中心とした支援に携わる。

企業のWebサイト制作や運用、業務改善、ITツールの導入・活用など、実際の支援現場で得た知見をもとに、経営者やWeb担当者が実務に活かせる情報を発信。

「TenCy通信」では、Web・IT・生成AI・DXをはじめ、中小企業向けの補助金・助成金や公的支援制度などについて、公式情報や一次情報を確認しながら、できるだけわかりやすく解説している。

OTHER NEWS

一覧にもどる