イラストを活用するホームページ制作の完全ガイド:効果・種類・活用シーン・制作の流れまでを解説 | 東京都の墨田区にあるホームページ制作・Web制作・イラスト・デザイン制作会社 TenCy株式会社
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  • 2025.10.5

    イラストを活用するホームページ制作の完全ガイド:効果・種類・活用シーン・制作の流れまでを解説

    ホームページ制作におけるイラストの活用について、効果→種類→使いどころ→制作フロー→実装→予算/ライセンス→リスク→チェックという順で、実務の担当者が迷わず進められるように解説します。イラストを活用することで、写真では演出しにくい雰囲気を持ったサイトを制作することができます。


    ホームページ制作にイラストを活用するポイントを解説

    ホームページ制作にイラストを活用するメリットとは

    イラストは単なる装飾ではなく、「複雑な情報の要約」と「世界観の一貫化」を同時に実現できる表現手段です。写真が現実の断片を切り取るのに対し、イラストは意味を設計できます。抽象的な価値観、工程、比較、構造などを、短い時間で理解させる力があります。

    さらに、写真では難しい「望ましい表情・属性・距離感」を自由に設定でき、人物写真の権利処理や撮影費用を抑える効果もあります。採用サイトではやわらかい職場の空気感を、BtoBサイトでは抽象的なソリューション価値を、直観的に伝えられます。

    ブランド面でも、線幅・角の丸み・影の硬さ・配色・モーションを統一することで、媒体をまたいでも同じブランドの訴求を維持できます。これはロゴやカラーに次ぐ重要な識別要素であり、ユーザーに安心感を与えられます。

    効果を測る視点が重要

    「なぜイラストを入れるか」を定量化しておくと、後のレビューや改修判断がスムーズになります。代表的なKPI例は以下の通りです。

    • トップページにおける滞在時間とスクロール量
    • CTA到達率(ボタンクリック率)
    • 直帰率

    イラストの役割は、見るだけで概念を理解できる状態をつくることです。テキストでは説明しにくい構造や概念を直観的に理解できるようにするため、A/Bテストでは「テキスト版/写真版/イラスト版」で滞在時間やクリック品質を比較すると効果分析が可能となります。


    ホームページに利用されるイラストのタイプと向き・不向き

    ホームページに利用されるイラストのタイプと向き・不向き

    ホームページに掲載するイラストには、目的や表現方法に応じていくつかの主要タイプがあります。制作コストや世界観の統一度に差が出やすいため、「目的 × 表現トーン × 再利用性」をセットで検討するのがポイントです。

    タイプ特徴と効果向いているサイト/業種不向き・注意点コスト目安
    ※弊社基準
    活用例
    フラットデザインシンプルな形と色面で構成され、情報を整理して見せやすい。UIやWebアプリと親和性が高く、近年の企業サイト・LPで主流。コーポレートサイト、BtoB LP、SaaSサービス紹介、採用ページ立体感やリアリティ表現には不向き約1万円~抽象概念・プロセス説明・比較図など
    手描き風イラスト柔らかく人間味を感じるタッチ。温度感・共感を生みやすく、人物や日常の描写に向く採用サイト、教育、福祉、地域・行政サイト、NPOなどラフすぎる線は信頼性に懸念が生じる約1〜5万円SNS投稿などにも活用しやすく、様々な用途に利用が可能
    アイソメトリック(斜投影)俯瞰構図で空間・構造・工程を説明できる。情報密度が高く、SaaSや物流など“仕組み”を可視化するのに最適テック系サービス、製造業、建設・物流など。
    特にキービジュアルでの活用が主流
    キャラクター要素や感情訴求には不向き。詳細設計が必要で初期工数がやや多い約5〜10万円Lottie等アニメ化もしやすい
    ラインアート(線画)シンプルで軽く、本文挿絵やアイコンに使いやすい企業ブログ、マニュアル、採用ページ、アプリUIアクセント以上の活用が難しい約5千円〜2万円小アイコンや挿絵に最適。SVG形式で軽量化しやすく、CMSでも扱いやすい
    コミカライズ(漫画調)ストーリーで読みやすく、“親近感・エンゲージメント”を生む。文章より感情が伝わりやすい採用特設、BtoCブランド、サービス紹介、教育・啓発系トーンが合わないと軽く見える。誇張表現・過剰演出はBtoBでは注意ページ数に応じてストーリーLP・漫画広告・導入事例紹介に効果的。SNS動画化との親和性も高い

    タイプ選定のポイント

    1. 目的を明確にする:理解促進(構造説明)か、感情訴求(共感・親近感)かを定義。構造=フラット/アイソメ、感情=手描き/コミカライズ。
    2. ブランディングの整合性:コーポレートカラー、フォント、デザインのトンマナと調和しているか確認。一貫性があると「同じ世界観のサイト」として信頼感アップ。
    3. 再利用を前提に設計:サイト以外でもSNS・会社案内・動画などに展開する前提で設計すると後々のコスト削減に。

    イラストの種別と業種・目的別の相性

    • コーポレートサイト:フラットやライン中心。余白と構造の整然さを優先。彩度は低めで落ち着きを。
    • 採用サイト:人物イラストや軽いコミカライズが有効。職種紹介やカルチャー表現で心理的ハードルを下げる。
    • 医療・教育:柔らかい配色+ラインアート。誤解のない説明を重視し、注釈・補足を本文で補完。
    • テック/SaaS:アイソメトリックで仕組みやデータの流れを可視化。抽象概念を比喩図で補うと理解が早い。
    • 飲食・小売:ピクトグラム的表現でメニューや特徴を視覚化。スキャン速度を上げ、回遊性を高める。

    ホームページ制作におけるイラストの活用手順と選択肢

    ホームページに掲載するイラストは、描き下ろしてもらうだけではなく無料、有料の素材サイトを活用する選択肢もあります。それぞれのポイントを紹介します。

    イラスト素材の入手方法と注意点

    • 無料素材:制作初期や仮デザイン検証に便利。ただし他社との重複リスクあり。重要箇所は避けることと、素材サイトの利用規約(著作権その他)については必ずチェックすることが重要。代表サイトはいらすとやイラストACなど
    • 有料ストック:品質と統一感が安定。商用利用・改変可否・クレジット表記の要否を必ず確認。サイトによってはアクセス数に応じてライセンスプランが変わることもあるため、メディアサイトや広告配信を予定するランディングページ等、アクセス数がどの程度あるかを想定しながら選定する。代表サイトはAdobe StockPIXTAなど
    • 生成AIの利用:近年急激に生成AIによってイラストを制作し、クリエイティブに用いる事例が増えてきています。SNSのアイコンにしている人も多く、行政系のチラシなど予算が少ないと思われる制作物にも利用事例が増えています。注意点は、生成AIが生成する画像が既存著作物に酷似してしまった場合は権利侵害の懸念があること、と、類似のイラストが出力されやすくAI生成であることが消費者に見抜かれた際にロイヤリティが下がる懸念があること。代表サイトはChatGPTや Google Gemeini、など
    • オリジナル制作:ブランドの核を作る最良手段。単価は上がるが、長期的な費用対効果で回収できるケースが多い。再利用や派生展開も著作権の交渉を実施することで実現可能となります。

    ホームページ制作に小さく始める、イラストの導入ポイント

    最初から全ページに展開する必要はありません。効果を確認する意味でも、以下のような導入テスト領域を推奨します。

    • キービジュアル:キャッチコピー(15~25字)+1枚で意味が通る比喩図。SPでは折返しに注意。
    • サービス工程図:3~5工程で構成。各工程を“見出し1語+短文+ピクト”に分けると記憶に残りやすい。
    • MVVやインフォグラフィックス:経営者の想いを表現するセクション(Mission/Vision/Value)や、データ・情報をグラフィカルに表現する領域など。
    • 料金比較表:含まれる範囲とオプションを視覚的に整理。契約条件や更新情報を明示。

    外注を失敗しないためのイラスト制作フローのポイント

    イラストを外部に制作してもらう場合、発注者が持つ抽象的なイメージを制作担当者に伝えて共有し、具体化していくことが必要になります。ここで特に重要なポイントは、次の行程の1.要件定義です。発注者ができるだけ考えやイメージを言語化して伝えられなければ、思うような制作物は出来上がりません。どんなものを制作してもらいたいのか、しっかりと発注側でイメージを持てるように準備しておくことが重要です。

    1. 要件定義
      目的・KPI・導入範囲を合意。「おしゃれ」「やさしい」など曖昧語は禁止。参考例で言語化。
    2. 情報設計
      “イラストで伝える”情報と、“文章で補う”情報を分ける。重複や冗長表現を削除。
    3. ワイヤー設計
      PC/SPの視線の流れを固定し、CTAと要点の位置を調整。折返し直後の配置を避ける。
    4. スタイルガイド策定
      色、線幅、角R、影、モーション、NG例を明文化。将来的な媒体拡張にも対応できる粒度で設定。
    5. ブリーフ作成
      点数・サイズ・形式・納期・改訂回数・権利条件を明記。禁止例(過度な陰影など)も添える。
    6. ラフ合意 → 本制作
      方向性を早期確定し、ラフ段階で大きな争点を解決。拡大・縮小時の見え方も確認。
    7. 実装・検証
      文言と余白の最終微調整。Core Web Vitals・CLS対策も同時に。ガイド準拠のチェックシートで機械的に品質確認。
    8. 公開・反映
      OGP・サイトマップ・構造化データを更新。読み込み速度とアクセシビリティを再検証。

    発注の際に検討すべき事項の例

    • 目的/KPI:例)サービス理解率+15%、CTAクリック率+10%
    • 使用媒体:Web(PC/SP)、SNS広告、印刷展開の有無、想定媒体数
    • 点数/形式:画像の点数、縦横比、ファイル形式
    • 改訂回数/納期:ラフ2回+本制作1回など、納品日
    • 参考/禁止:参考URLを共有、NG例(過度なキャラ化、複雑影)
    • 権利条件:著作権帰属・再利用可否・二次利用範囲を明文化
    • 運用備考:将来の広告転用やリサイズ要否も事前確認

    意外と見落としがち、勘違いしがちなのが、印刷での利用の有無です。Webと印刷では色の仕組みが異なるため、Webでは表現できても印刷では表現できない色合いなどがあります。色の重要度が高い場合(色が変わってしまうと問題となり得る場合)は、印刷媒体での用途も前提とした色を用いることが推奨されます。

    その他、次のようなつまづきポイントに気を付けるといいでしょう。

    • トーン不統一:外注・内製・素材が混在すると生じやすい。線幅・角R・影・表情を統一するグランドルールを設けましょう。
    • 写真との不調和:光源・陰影方向・彩度を合わせる。背景トーンを調整して統一感を出す。
    • 規約違反リスク:用途拡張・広告利用・再配布など将来展開を契約書に含める。
    • 表示速度低下:ヒーロー画像のLCP対策として静止図解化やSVG最適化を検討。

    サイト公開前のチェックポイント

    • 目的とKPIが導入目的と整合
    • スタイルガイド準拠(色/線/角R/影/動き)
    • ファイル形式と容量の最適化(SVG最小化、WebP/AVIF検証)
    • alt属性・コントラスト比・キーボード操作確認
    • ライセンス文言・出典・再利用許諾の明示
    • 命名規則・版管理・差し替え手順の整備
    • スマホ可読性(改行・余白・CTA位置)
    • Core Web Vitals計測設定・イベント計測タグ確認

    イラストを使ったホームページ制作のまとめ

    イラスト活用は、単なる見た目の演出ではなく、情報設計とブランド戦略の一環として推進することが必要です。写真では表現しづらい概念・関係性・世界観を、構造的に伝えられる点にこそ価値があります。

    導入初期は1~2箇所から始め、成果を可視化した上で全体展開に進むのが安全。統一ガイドと再利用設計を整えれば、継続的に「コストを生まないデザイン資産」として機能します。

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