中小企業のホームページ運用について:SEOの取り組みと検索順位の考え方を解説します!
目次
弊社では、自社ホームページやお客様のWebメディア運用を通じてSEO対策をサポートしています。より検索・表示され、よりページの閲覧数を増やし、問い合わせを増やすためのWebマーケティングとして、SEOの取り組みはWebを活用する上では基本スキルになっていると実感しています。
では、SEOについてWebに知見が少ない中小企業はどこまで、どのようにやればいいでしょうか?弊社がご提案している基本的な考え方・スタンスについて紹介したいと思います。
ホームページ制作におけるSEO対策のゴールは検索順位をあげることではない!
良いホームページは、クライアントの売上や利益増加を通じてビジネスに貢献できること
ホームページは、24時間365日不眠不休で働いてくれる営業マンです。ホームページのSEOが良化すれば、アクセス数増加に繋がることは確実です。ですが、アクセス数の増加が必ず売上や利益増加に貢献するか、というと、アクセスしてくれた人が問い合わせや申し込み、購買行動に繋がらなければそうはなりません。
弊社のスタンスとしては、ホームページ・Webサイトの価値を高めることが最も重要であり、検索順位をあげることを「KGI:Key Goal indicator」には設定していません。もちろん、短期的な目標設定としてSEOの対策を行うキーワードを選定し、検索順位を上げる試行錯誤は実施します。
ですが、ホームページ制作の仕事のゴールは、クライアントと、クライアントのお客様にとって価値のあるサイトにすることであると考えています。SEOの検索順位があがる=価値があるサイトではなく、ユーザー(サイトの閲覧者)にとって良いサイトであり、ユーザーに価値を感じてもらって、結果、問い合わせや注文が増えて売上と利益があがることがゴールと考えています。
世の中のSEO対策業者の中には、「これをすれば順位があがります!」や、「最低順位保証!」といった売り文句を使っているケースもありますが、基本的には懐疑的な目で見て欲しいと思っています。検索順位を気にするのではなく、自社にとって価値のあるサイトを提案する、そんな制作会社でありたいと常に考えています。
サイト改善活動は、SEOの対策と「閲覧者のおもてなし」をセットで実施する
検索順位を高める試行錯誤を行うことは、良いサイトにするための取り組みの一つです。ですが、SEO対策だけを推進することがサイトの改善活動ではありません。見ていただいたお客様に、自社サービスの内容を、適切に正しい情報を分かりやすく伝えて、購入したい、問い合わせたいと感じてもらう。実際に、フォームや電話で申し込みをしてもらう。そこまで到達して、初めてホームページに価値が生まれます。
サイトを見ていただいたお客様候補を、適切におもてなしして、購入したいと思ってもらうこと。それが、サイトの改善活動の目的となります。改善活動の観点としては、以下が挙げられます。
- 閲覧者が知りたい情報にたどり着きやすいか
- 閲覧者が次のアクションをとるために何をすればいいか分かりやすいか
- 読みやすく、分かりやすいコンテンツとなっているか
- 表示速度やアクセシビリティ等に配慮されているか
すべては閲覧者目線、利用者目線で改善を行うことが重要です。ホームページは一種のクリエイティブな創作活動である以上、開発者としてのエゴもどこかには表れてしまいがちです。もちろん、開発者として矜持をもって業務にあたることは大切ですが、利用者目線で良いサイトにすることが大前提としてあります。
ホームページのSEO対策で検索順位が必ず上がる手法は存在しない
Google検索の結果、表示される順位は、あくまで相対評価です。検索キーワードに対して、Googleのアルゴリズムが最もユーザーにとって価値のあるサイトであると判断された結果、検索上位に表示されるものです。
ここでのポイントは、第一にユーザーにとっての価値が評価であること、第二に全てのサイトとの相対評価であること、があります。いくら改善活動を継続したとしても、外部サイトで強力なライバルがいるキーワードで検索上位をとることは簡単ではありません。成果保証を謳った制作会社の営業をもし受けた場合は、具体的にどのような取り組みをどのような検索キーワードで行って、結果、順位はどのように上がるのか、しっかり内容を詰めて確認することを推奨します。
SEOの取り組みの基本は、常にユーザーにとって良いサイトであることを目指すこと
検索上位をとれてアクセス数が増加したとしても、問い合わせに繋がるとは限りません。閲覧者が価値を感じて、あなたの会社のサービスを受けたい、商品を買いたいと思った時に問い合わせに繋がります。検索順位の上昇がゴールではなく、ユーザー体験の向上をゴールにすることが大事です。
SEO対策の重要性:検索順位はビジネスにどの程度影響を与えるか
では、検索順位の高さはどの程度ビジネスに影響を与えるでしょうか。中小企業は、数少ない経営リソースをSEO対策に投下するだけの価値があるのでしょうか?SEO検索順位が及ぼす影響について考える際に、まず考えることはホームページや対象URLのアクセス数、閲覧者数が増加することがあります。
検索順位とアクセス数、閲覧数の関係
CTR(Click Through Rate)は、検索順位とクリック率を比較する指標です。海外の研究レポートを公開するサイトでは、日本も含めた各国の検索順位とCTRの値をグラフで公開しています。
Position | US CTR | UK CTR | Canada CTR | India CTR | Japan CTR |
1 | 9.13% | 10.48% | 11.30% | 14.88% | 13.94% |
2 | 5.07% | 6.05% | 5.93% | 8.22% | 7.52% |
3 | 3.60% | 4.49% | 4.29% | 4.79% | 4.68% |
4 | 2.61% | 3.15% | 3.31% | 3.10% | 3.91% |
5 | 1.95% | 2.54% | 2.64% | 2.09% | 2.98% |
6 | 1.46% | 1.96% | 1.95% | 1.52% | 2.42% |
7 | 1.10% | 1.55% | 1.50% | 1.10% | 2.06% |
8 | 0.93% | 1.32% | 1.27% | 0.95% | 1.78% |
9 | 0.75% | 1.10% | 1.03% | 0.77% | 1.46% |
10 | 0.66% | 0.98% | 0.95% | 0.70% | 1.32% |
11 | 0.63% | 0.91% | 0.89% | 0.57% | 1.03% |
12 | 0.58% | 0.74% | 0.86% | 0.50% | 1.00% |
13 | 0.43% | 0.59% | 0.61% | 0.36% | 1.07% |
14 | 0.44% | 0.64% | 0.64% | 0.41% | 1.34% |
15 | 0.45% | 0.73% | 0.77% | 0.45% | 1.65% |
16 | 0.53% | 0.90% | 0.92% | 0.63% | 2.19% |
17 | 0.60% | 1.07% | 1.10% | 0.83% | 2.54% |
18 | 0.75% | 1.29% | 1.25% | 1.14% | 2.83% |
19 | 0.88% | 1.36% | 1.34% | 1.27% | 2.91% |
20 | 0.93% | 1.47% | 1.39% | 1.34% | 2.85% |
検索表示1位を取ることができれば、約14%のクリック率を得られることが分かります。2位以下でも、数%のクリック率であることから、総検索数が多いビッグワードで検索1ページ目に表示させることができれば、問い合わせの増加を期待することができそうです。
一方で、2ページ目以下となってしまうと、そのCTRは1~2%となります。このアクセス数から更に問い合わせ率によって絞られますので、ほとんど問い合わせに繋がることは期待できないかもしれません。
この表から分かるように、検索上位1~5位以内ぐらいまでに上位を取ることができれば売上にもインパクトを与えるホームページにすることができそうです。ですが、それが実現できるまでどの程度の時間と費用が掛かるのか、本当に自社で実現できるのか、しっかり費用対効果を検討することが大事です。
ホームページのKPIは、アクセス数の増加ではなく売上と利益への貢献
先ほども述べた通り、営利企業の事業である以上、全ては売上と利益に貢献できる取り組みであることが要求されます。すなわち、検索順位が上がっただけで売上が変わらないのでは、そのホームページの改善活動・SEO対策は価値を生んでいない、と判断されます。アクセス数を伸ばすだけで終わりではなく、閲覧者からのコンバージョンを獲得することが重要です。
つまり、ホームページの改善は、以下の3種類の施策を考える必要があります。
- 検索順位向上のためのSEO対策(集客)
- サービス・商品に価値を感じてもらうためのおもてなし(接客)
- その場で購買行動にまでつなげるための誘導(コンバージョン)
純粋なSEO対策のみでなく、マーケティングの基本に従ってお客様をおもてなしするホームページであることが重要です。
中小企業はSEO対策に力を入れるべきか?
中小企業においては投下資本が限られるため、費用対効果の観点が重要になります。
この問題に対する弊社のスタンスは、
継続的にコンテンツ制作の専任担当を自社で用意できるか、月額20万円以上を継続的に広告宣伝費として計上できるならば投資してみる価値はあるかもしれません
という、それなりに高いハードルを設定しています。広報・PR担当者を1名雇っても良いかな?と考えられる程度の規模になったとき、その1名の人件費分で、弊社のプロフェッショナル人材を活用しませんか?とご提案しています。
中小企業のホームページとSEO対策のまとめ
SEOで検索順位が重要視される理由は、検索順位を追うことが最終的な売上・利益目標数値に貢献できる可能性があるためです。ただし、それを実現するにあたっては継続的な資本(人的・資金的リソース)の投資が必須です。
たとえSEOを意識してホームページを作成しても、継続的な運用ができなければSEO対策の効果を上げることは見込めません。継続的に改善を行い、サイトをより良いものにしていく取り組みが実施できるまで資金的な余裕ができたら、初めて取り組みを行うのが良いでしょう。それまでは、売上の獲得に繋がっている他の営業手段を追求することをオススメしています。
もし、SEO対策を通じてサイトをより良いものにしたいと思ったときは、弊社でもご支援が可能です。お気軽にお問い合わせください。
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