消費者庁が「ダークパターン」の事例を公開|Web制作でも注意したい15の表現
消費者庁は、WebサイトやECサイトなどで利用者の判断を特定の方向へ誘導する、いわゆる「ダークパターン」について、具体例をまとめた「ダークパターン事例イラスト集」を公開しています。
資料では、強制登録、キャンセル困難、隠れたコスト、カウントダウンタイマーなど、Webサイト制作やサービス設計で注意したい15種類の事例が紹介されています。
ダークパターンとは
ダークパターンとは、Webサイトやアプリの画面設計・表示方法などによって、利用者が本来意図していない選択をしやすくなるよう誘導するデザインや仕組みを指します。
消費者庁の国際消費者政策研究センターでは、2025年に「いわゆる『ダークパターン』に関する取引の実態調査」を公表し、国内で利用されているWebサイトを対象に事例の収集・分析を行いました。さらに2026年6月には、Webページ等におけるダークパターンに対する消費者意識調査も公表しています。
Web制作で注意したいダークパターンの例
資料では、たとえば以下のような表現が取り上げられています。
- 会員登録しない購入方法を分かりにくくする「強制登録」
- Cookieの拒否方法を示さず同意へ誘導する「強制的情報開示」
- 返金条件など重要な情報を小さく表示する「隠された情報」
- 高額なプランや定期購入をあらかじめ選択する「事前選択」
- 解約までに多くの画面遷移を要求する「キャンセル困難」
- 最終確認画面で初めて送料や手数料を表示する「隠れたコスト」
- 実態と異なる可能性のある「No.1表示」「高満足度表示」
- 終了後も条件が変わらないカウントダウン表示や「期間限定」表示
特に「キャンセル困難」については、申込みは簡単なのに、解約・退会には多数の画面遷移やスクロールが必要になるケースが例示されています。また、カウントダウンタイマーについても、残り時間や期間限定を強調しながら、終了後も価格等が変わらないケースが例として示されています。
Webサイト・LP制作でもダークパターンへの配慮が必要
ダークパターンは、ECサイトやサブスクリプションサービスだけの問題ではありません。Web制作の現場でも、
- CTAを過度に強調して選択肢を分かりにくくする
- 解約・問い合わせページへの導線を意図的に見つけにくくする
- 小さな文字で重要条件を表示する
- 実態のない「残り○名」「本日限定」表示を行う
- 根拠が不十分なNo.1・満足度表示を使用する
といった表現には注意が必要です。コンバージョン率を高めるためのデザインであっても、利用者に誤認や不要な心理的圧力を与えない設計が求められます。
消費者庁がダークパターンに関する調査を継続
消費者庁は、2026年6月にも「Webページ等におけるいわゆるダークパターンに対する消費者意識調査」を公表しており、ダークパターンをデジタル社会における消費者政策上のテーマとして継続的に調査しています。
Webサイトを制作・運営する事業者にとっても、今後は分かりやすさや操作性だけでなく、利用者が適切に判断できるUI・UXになっているかという視点がより重要になりそうです。
なお、今回のイラスト集は消費者庁の研究センターで作成された資料ですが、資料自身に「執筆者個人の責任で作成され、消費者庁の見解を示すものではない」と明記されています。行政による禁止事項一覧ではなく、Webサイト設計を見直すための参考事例として捉えるのが適切です。




