「扶養親族の定義」が変わる! 2025年年末調整で知っておくべき扶養控除の重大変更点
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「103万円の壁」が消える? いいえ、壁は「123万円」に動きます
「子どもがバイトで稼ぎすぎると、親の税金が高くなる…」 この悩み、2025年の年末調整からは大きく緩和されるかもしれません。長年、パートや学生の働き方を縛ってきた税制上の「扶養の壁」が、ついに大幅に見直されます。
✅ 扶養の年収上限は123万円に引き上げ!
✅ 大学生の子のアルバイト収入が増えても親の負担を軽減する新制度も!
しかし、喜ぶのはまだ早いです。税制上の壁が動いても、社会保険の壁(106万円・130万円)はそのままです。あなたの世帯は、この改正で得をするのか?損をしないために、新しいルールをわかりやすく解説します。
なぜ「103万円の壁」が変わるのか?
2025年の年末調整(令和7年分)に向けて、長らく家計や働き方を左右してきた扶養控除の税制が大きく改正されます。この変更の核心は、ついに「103万円の壁」が引き上げられることです。
この改正は、子育て世帯の支援と、パートやアルバイトとして働く人々の「働き控え」を緩和することを目的としています。
変更点の核心:扶養親族の「所得要件」の緩和
最も重要な改正点は、税制上の扶養親族とするための合計所得金額の要件が緩和されることです。
「103万円の壁」から「123万円の壁」へ
| 項目 | 改正前(現行) | 改正後(2025年以降) |
| 扶養親族の合計所得金額の要件 | 48万円以下 | 58万円以下に引き上げ |
| 給与収入の目安 | 年収103万円以下 | 年収123万円以下 |
給与所得者の場合、合計所得金額58万円は給与収入123万円に相当します。
これにより、配偶者や16歳以上の子どもなどの扶養親族となる家族の年収が123万円以下であれば、扶養控除を受けることが可能になります。
大学生の子を持つ親必見:「特定親族特別控除」の創設
今回の改正では、アルバイト収入のある大学生(年末時点で19歳以上23歳未満の子)がいる世帯向けに「特定親族特別控除」が創設されます。これは、扶養から外れても税制優遇を受けられる新しい仕組みです。
年収123万円を超えても控除が受けられる!
| 子どもの合計所得金額 | 子どもの給与収入目安 | 特定親族特別控除 |
| 58万円超〜85万円以下 | 123万円超〜150万円以下 | 63万円 |
| 85万円超〜90万円以下 | 150万円超〜155万円以下 | 61万円 |
| 90万円超〜95万円以下 | 155万円超〜160万円以下 | 51万円 |
| 95万円超〜100万円以下 | 160万円超〜165万円以下 | 41万円 |
| 100万円超〜105万円以下 | 165万円超〜170万円以下 | 31万円 |
| 105万円超〜110万円以下 | 170万円超〜175万円以下 | 21万円 |
| 110万円超〜115万円以下 | 175万円超〜180万円以下 | 11万円 |
| 115万円超〜120万円以下 | 180万円超〜185万円以下 | 6万円 |
| 120万円超〜123万円以下 | 185万円超〜188万円以下 | 3万円 |
改正前は控除が0円でしたが、2025年以降は年収に応じて一定の控除が受けられるようになります。これにより、子どもが年収123万円を超えても、親の税負担の急激な増加が抑えられ、子育て世帯の負担軽減につながります。
見落としがちな論点:社会保険や住民税の年収の壁
ここまでの改正は所得税に関するものです。年収が増えると、所得税の収入の壁より先に社会保険や住民税の年収の壁を越えてしまう可能性もあります。
| 制度 | 年収の壁(目安) |
| 住民税 | 110万円(改正後) |
| 社会保険(第3号被保険者) | 130万円 (従業員が50人以下の年収の壁) |
| 社会保険(適用拡大) | 106万円 従業員が51以上の企業の年収の壁 |
【重要】
税制上優遇されても、年収が106万円や130万円を超えると、本人が社会保険料や住民税を負担することになり、世帯の手取りが減る可能性があります。税制と社会保険の両面から、家族の年収計画を再確認しましょう。
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