【2026年度版】デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の公募要領が公開!主な違いを解説します | 東京都の墨田区にあるホームページ制作・Web制作・イラスト・デザイン制作会社 TenCy株式会社
2026.3.8 2026.8.15

【2026年度版】デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)の公募要領が公開!主な違いを解説します

中小企業・小規模事業者の生産性向上を支援する、毎年人気の補助金「IT導入補助金」が、2026年度より「デジタル化・AI導入補助金」へと名称を変えて公募開始されました。

今回の変更は単なる名称の付け替えにとどまらず、AI活用や賃上げ指標の抜本的な見直しなど、申請にあたって注意すべき重要なポイントがいくつか追加されています。本記事では、2025年度版との違いを中心に、活用のポイントをまとめました。

2026年度「デジタル化・AI導入補助金」、2025年度との違いは?

2026年度版の公募要領では、申請の成否や補助金交付後の返還リスクに直結する変更がなされています。

1. 事業名称および事務局名称の変更

まず大きな変更点として、事業名称が「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)」から「中小企業デジタル化・AI導入支援事業(デジタル化・AI導入補助金)」へと変更されました。これに伴い、ポータルサイトの記述や公募要領その他の説明もリニューアルされています。

2. ITツールの定義における「AI」の明示

補助対象となるITツールの定義において、ソフトウェアの項目に「(AIを含む。以下同じ。)」という記述が追加されました。これにより、生成AIを含むAI技術の導入がより明確に推進される形となっています。

3. 指標の変更:賃上げ目標が「1人当たり平均」へ

数値指標や提出書類においてより厳密な証明が求められるようになっています。

ここが今回の最も大きな変更点の一つです。 従来の「給与支給総額」という指標が、2026年度版では「1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)」へと変更されました。

従って、これまでは総額ベースでの目標判定となっていましたが、2026年度版「デジタル化・AI導入補助金」では、従業員数が増えても1人当たりの給与が上がっていなければ目標未達と判定される可能性があります。算出の際は、残業代や各種手当を含む課税対象となる経費をベースに計算する必要があります。以下は公募要領からの引用になります。

【1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)について】
1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)とは、給与支給総額を従業員数で除したものをい
う。算定対象となる給与等は、給料、賃金、賞与、各種手当(残業手当、休日出勤手当、職務手当、地域手当、家族(扶養)手当、住宅手当)等、給与所得として課税対象となる経費を指す。役員報酬、福利厚生費、法定福利費や退職金は除く。

対象となる従業員は、交付申請時の直近の事業年度及びその算出対象となる各事業年度において、全月分の給与等の支給を受けた従業員とする。中途採用や退職等で全月分の給与等の支給を受けていない従業員については、全月分の給与等の支給を受けていない事業年度に限り、算出の対象から除く必要がある。

当該事業年度において、産前・産後休業、育児休業、介護休業など事業者の福利厚生等により時短
勤務を行っている従業員は算出対象から除くことができる。また、パートタイム従業員については、正社員の就業時間に換算して人数を算出すること。昇給や減給、残業時間等の増減等により給与変動がある従業員も1人当たり給与支給総額(非常勤を含む全従業員)の算出対象となる。あらかじめこれらの要因も考慮したうえで算出すること。

※ 従業員を雇用していない法人は、上記の従業員を役員と読み替え、役員報酬と役員数に応じて算出
すること。

財務書類の必須化:交付申請時に決算書が必要となった

2025年度版では必要に応じて提出を求める場合がある とされていた「直近分の貸借対照表及び損益計算書」(個人の場合は青色申告決算書等)が、2026年度版では申請時の必須書類として明記されました。申請を検討する段階で、最新の決算書類が手元にあるか、PDF化されているかを早めに確認しておきましょう。

【新要素】審査・報告における変化として新たな加点項目:「省力化ナビ」の活用

中小機構が運営する省力化ナビを活用し、生産性向上の知見を確認していることが新たな加点項目として追加されました。省力化ナビは業種別の悩みから解決策を提示してくれるサイトです。申請前にGビズIDでログインして活用することで、採択率を高めることが期待できます。

なお、省力化ナビは2026年3月末ごろの公開が予定されています。

効果報告時のエビデンス提出

事業実施後の効果報告において、数値目標の根拠となる「決算書及び関係書類」の提出が正式に求められるようになりました。計画値の達成状況をより厳格に検査する姿勢が伺えます。

勘違いしがちな注意点:AI活用は加点要素とは明記されていない

2026年度版では、補助対象となるITツールの定義そのものに「ソフトウェア(AIを含む。)」という文言が追加されました。つまり、AIツールは特別な加点対象というより、デジタル化を推進するための標準的な補助対象として位置づけられています。

加点項目一覧をみても、直接的にAI活用が加点項目になっているとは言い難く、審査の観点においてもAIに直結するような評価項目はありません。加点項目として新設された省力化ナビについては要チェックですね。


2026年度デジタル化・AI導入補助金 活用のポイントまとめ

2026年度のデジタル化・AI導入補助金は、これまでのIT導入補助金と比較して、物価上昇を考慮した実質的な賃上げとAIによる労働生産性の向上がより強く求められているといえます。特に賃上げ目標については、日銀の物価安定目標を考慮した成長率(3%〜3.5%)が基準となっており、単なる設備投資以上の経営計画が求められます。最新の公募要領を熟読し、自社の財務状況と照らし合わせながら、計画的に申請準備を進めましょう。

この記事を書いた人

高仲 秀寿

高仲 秀寿

TenCy株式会社 代表取締役/中小企業診断士

TenCy株式会社代表取締役。中小企業診断士として、中小企業の経営・事業課題に向き合いながら、Web制作・Webマーケティング・DX・生成AI活用など、デジタル領域を中心とした支援に携わる。

企業のWebサイト制作や運用、業務改善、ITツールの導入・活用など、実際の支援現場で得た知見をもとに、経営者やWeb担当者が実務に活かせる情報を発信。

「TenCy通信」では、Web・IT・生成AI・DXをはじめ、中小企業向けの補助金・助成金や公的支援制度などについて、公式情報や一次情報を確認しながら、できるだけわかりやすく解説している。

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